今や人やもので溢れるようになった東京都23区。そこに唯一残された自然豊かな渓谷、それが「等々力渓谷」です。東京にいながら豊かな緑と渓流が広がる非日常に入り込める貴重な空間にして、行ってみるとなかなかの運動量を誇る自然のアスレチック。そんな心身をリフレッシュできる小旅行・散策にぴったりのスポットを紹介します。

こんな人におすすめ
・東京で手軽に自然の渓谷を歩きたい人
・運動不足を解消しながらリフレッシュしたい人
・階段や坂道を歩いて体力を試したい人
スポットの紹介
等々力渓谷は東京都世田谷区に位置する、全長約1kmの東京都23区内唯一の渓谷です。「渓谷」は山や台地の間に川が流れる谷のことを指しており、ここでは武蔵野台地に谷沢川という穏やかな川が浸食することで風雅な渓谷を形成しています。「等々力」という変わった地名は渓谷にある「不動の瀧」の音が轟いたところから来ているという言い伝えがあり、水や植物の魅力、そしてそれと共にある野鳥といった自然の魅力を味わうことが出来ます。
そんな等々力渓谷は昔から信仰の場にもなっており、渓谷の中ほどには「等々力不動尊」が鎮座しています。鎌倉時代の僧が霊夢に従い不動明王を置いて開かれたと伝わる歴史あるお寺で、歴史の重みを感じることもできるスポットになっています。

スポットの魅力
アクセスのよい自然と渓谷
等々力渓谷は東急大井町線等々力駅から歩いて5分とかからず到着する場所にあり、自由が丘駅からトータル10分程度で到着する場所にあります。このため渋谷駅や横浜駅といったエリアから乗り換え一回でアクセスできることから、自然豊かな渓谷でありながら気軽に訪れることが出来る場所になっています。
等々力不動尊の寺院としての魅力
木々の中に広々とした境内を確保している等々力不動尊は、それ単体でも訪れる価値のある文化的スポットとなっています。渓谷を歩く前・歩いた後に一息ついて心身を整えつつ、お参りをするのがおススメです。

主なご利益は、心願成就・除災招福・良縁成就など。おみくじやお守りなどを用意しているお土産どころもありますよ。

渓谷だからこその景観
その名の通り谷間に木々が生い茂る等々力渓谷では、まさに「木々に囲まれている」というべき景観を味わうことが出来ます。四季折々で変化する風景を楽しみつつ、渓谷を散策することがリフレッシュに繋がります。

展望台など、上からの景色も絶景です。ぜひ一度訪れてみてください。
一服付けるお休み処「雪月花」と「四季の花」
等々力渓谷の高低差がある地形に疲れた時は、休憩処が欲しいもの。そんな時には等々力不動尊には休憩処である茶屋「雪月花」と「四季の花」があります。それぞれ常設のお抹茶やソフトクリームなどに加えて夏はかき氷、冬はおしるこなどを自然の中、または建物の中で楽しむことが出来ます。
自然の中で楽しむ甘味は身体を癒してくれるもの。渓谷の散策中にぜひ訪れることをおススメします。

近隣の食事処・レストラン
旅行に行く時、気になるのは周囲のレストラン。等々力渓谷があるのは住人も多い世田谷区であり、近隣には十分な飲食店の候補があります。それだけではなく、自由が丘駅や二子玉川駅へのアクセスが非常に良いことから移動してゆっくり食事を楽しむことも可能です。
等々力渓谷・等々力駅周辺の飲食店
等々力渓谷及び最寄り駅である等々力駅の周辺にはいくつかの飲食店が点在しています。比較的リーズナブルな個人店から高級店、世田谷らしい健康志向の飲食店まで数多くの選択肢に恵まれています。
おススメの店は等々力渓谷すぐ近くにあるイタリアン「OTTO」。渓谷を上がってすぐのところにある店舗では、窓から渓谷を眺めながらおいしいランチ・ディナーを楽しむことが出来ます。
和食を味わいたい方におススメの店は等々力駅すぐにある「地焼うなぎ 等々力ひらさわ」。140年ほどの年月を経た古民家の中で土鍋ご飯と炭火で焼き上げたうなぎを楽しむことが出来ます。歴史と伝統の和食を味わいたい方におすすめです。
二子玉川駅方面のレストラン
等々力駅から電車で4分移動すれば、近年の発展著しい二子玉川駅に到着します。いわゆるマダムの街としても知られ、再開発が大きく進みレストランの選択肢も非常に多くなった二子玉川駅に移動すれば、豊富な選択肢から食事内容を選ぶことが出来ます。ただし、最近の発展に伴って人気になった二子玉川駅は、その分非常に人出も多くなっています。あまりエリアに慣れていない時はショッピングモール「二子玉川ライズ」や「玉川高島屋」などレストランがまとめて入っているモール・百貨店の類がおススメです。
おススメの店は玉川高島屋にある「The Veranda」。高島屋9階の眺望で豪華なハワイ料理を堪能することが出来ます。
自由が丘駅方面のレストラン
同じく等々力駅から電車で4分、二子玉川駅方面とは反対に進めば今度は自由が丘駅に到着します。こちらは二子玉川駅と比べて比較的人手が落ち着いたエリアでありながら、長きに渡ってオシャレな街としての地位を維持してきたこともあり、十分なレストランの選択肢があります。
おススメの店は駅から徒歩6分のところにあるイタリアン「スピリト リベロ」。こんなにオシャレな店があるのは流石は自由が丘、といった本格的な雰囲気の中で洗練されたイタリアンを楽しむことが出来ます。
様々な選択肢がある等々力渓谷周辺のエリアですが、ランチでもディナーでも予約推奨。特に休日やディナータイムは満席になることが多く、事前予約をして確実に席を押さえるのが安心です。
周辺のおススメスポット
等々力渓谷はそれ単体で十分に楽しめるスポットですが、せっかくならば周辺のスポットも一緒に楽しんでおきたいところ。近隣のスポットと、(原文内のこの後の文章が消えているかもしれません)
満願寺と玉川神社
等々力渓谷から等々力駅に戻り、線路を超えて反対側に移動すると「満願寺」という寺院、そして「玉川神社」という伝統ある神社に着きます。関係の深いこのお寺と神社はその歴史を味わえる空間を残しており、観光スポットとしても知られています。
渓谷から歩いて10~15分程度と、短時間の観光でも行きやすい位置関係になっています。
二子玉川駅や自由が丘駅前
再開発が大きく進んだ二子玉川駅や、昔の雰囲気を保ちつつ新たなまちづくりを進めている自由が丘駅の周辺はどちらも散策に向いています。二子玉川の「二子玉川ライズ」や自由が丘の「JIYUGAOKA de aone」などで、ショッピングも一緒に楽しむのがおススメです。
尚、等々力駅から二子玉川駅及び自由が丘駅はどちらも3km程度と、脚力に自信のある人ならば問題なく歩ける距離です。自分の体力を試したい方や、歩くのがすごく好きな方については歩いて移動して見るのも一興かもしれません。(歩き過ぎには気を付けてくださいね!)
バスを使って駒沢公園(駒沢オリンピック公園)へ
東急バス等々力駅からバスで10分で駒沢公園に行くこともできます。この公園は1964年の東京オリンピックの会場になった公園で、運動場として全体が整備されています。一通りの散策をするだけでかなりの運動量になることも魅力でありながら、欅や桜などの風景も楽しむことが出来ます。
実際に行ってみたレポート
ここからは筆者が実際に等々力渓谷に行ってみた際のレポートとなります。尚、何度か訪れている場所ではありますが直近で行った際には遊歩道が一時的に閉鎖となっていたため、若干日本庭園側のレビューに偏っております。
高低差によって運動量がふえる
等々力駅から渓谷(封鎖中の個所は近隣の街道)をぐるりと散策し、等々力不動尊など現在解放されているエリアを全て散策し、運動量を測定しました。約5500歩で約4.54kmのウォーキング、1.5時間分で471kcalの消費となりました。

(Garminのスマートウォッチで計測)
歩いた実感&データとして、やはり総上昇量(段差の多さ)が見て取れました。個人的な感想ですが、やはり渓谷の段差の多さは侮れないところがあります。特に高齢の方については等々力渓谷に行って、階段・坂道を問題なくするすると上り下りできる状態ならば「しっかりと歩ける」と言えそうです。

もちろん、登山などと比べればはるかに気軽に訪れることが出来ますし、遭難のリスクもありません。どのくらい歩けるのか試す意味でも、純粋に自然の景観や伝統を味わうためにも来訪をおすすめします。
ちゃんと随所に休憩スポットがある
段差の多さなどちょっとハードルを上げてしまいましたが、実際の等々力渓谷は随所に休憩スペースやベンチが用意されています。体力にあまり自信のない方についても安心して来訪できる場所になっています。

いたるところに神様仏様
等々力渓谷で最も有名な寺社仏閣と言えば等々力不動尊やそれに連なる不動明王などですが、昔から水場信仰を集めていた場所であったからか、稲荷明神や祀られた蛙(かえるだから治水の神様…かな?)など様々な神棚も随所にありました。
自然の中に馴染むようにいらっしゃる神様仏様を探す旅に出るのもきっと楽しいと思います。

想定コースと運動量
▶等々力渓谷単体 日帰りプラン(歩数目安:7000〜8000歩)
- 午前中:等々力駅到着、渓谷入口から散策開始
- 昼食:等々力駅周辺でランチ
- 食後:渓谷に戻り往復散策、茶屋で一服
- 夕方以降:自由が丘や二子玉川へ移動、ショッピング
▶自由が丘や二子玉川も 一泊プラン(歩数目安:12000歩〜)
自由が丘や二子玉川、駒沢オリンピック公園の散策も含めて世田谷区の小旅行を楽しむ場合、等々力渓谷で体力を使うことも想定して一泊するのがおススメです。
- 高価格帯ホテル:二子玉川エクセルホテル東急
- 手頃な価格帯:東急ステイ用賀
アクセス
東急大井町線「等々力駅」から徒歩約3分。自由が丘駅乗り換えでアクセスできるため、渋谷や横浜などからのアクセスも良好です。
おわりに
等々力渓谷は、東京にいながら大自然を感じられる貴重な癒しの空間です。日帰りでも立ち寄れる距離にあり、気軽に心と体をリフレッシュできるスポット。
旅の一歩は、健康への一歩。都市生活に疲れたら、一歩足を踏み入れてみませんか?